まず、寝てすぐ目が覚めてしまうのは、精神的なストレスにより、交感神経(緊張)が残っているためです。
何の心配もなく、疲れ切っているときは穏やかに長時間眠れますが、何らかのストレスを抱えているときは眠りが浅かったり、すぐ起きてしまったりします。
嫌なことやショックなことも時間がたてば軽減していきますが、問題が長引く場合はずっと不安な気持ちを引きずり、長期化することがあります。
感情の元になっているのは「思考」なので、がんの進行の恐怖などに頭の中で折り合いをつけられるのが一番よいですが、一朝一夕にはいきません。元来の性格も関わってきます。
眠れない、というとき最も重要なことは「睡眠はコントロールできない」と諦めてしまうことです。
人間は睡眠を制御できません。起きることはできますが、眠ることは意識してできないのです。
できないのに「眠ろう」としたり、「眠れらないといけない」と何か努力をしてしまうことで余計に悪循環になります。
ですので、「完全に諦めること」が大事です。
ベッドに入っても、「眠ろう」とか「無心になろう」とかせず、一切の制御を諦めて放置することです。
頭のなかでグルグルと考えや悩みが巡っているときは、そのままにしておきます。「考えるのをやめよう」とか「頭をからっぽにしよう」とも考えないことです。
眠れないと体にはよくないですが、考えたところで対策もできないのでこれも諦める、ということですね。
結果的にはそれが一番効果があります。
眠くなったら寝る。眠れずに昼間眠くなったらそれはそれでしょうがない、と開き直りましょう。「絶対にコントロールなんてできないんだし」と思うことです。
なお、長期的な取り組みとしては「思考」をコントロールしていかなければなりません。
まずは自分自身の恐怖や不安の対象を明らかにすることです。
どんなことになるのが恐いのかを自分自身で見つめることが大切です。
精神的な問題を解決したいと願う患者さんにはこちらの本を薦めています。
良い睡眠=目覚めたときにスッキリ。心身ともに疲れを感じない。
・・・学会で発表するようなことなのか。誰でもわかる。
「ストレスで働きづめで、病気も抱えて辛いけど、夜だけはしっかり眠るにはどうするか」みたいな研究をしないと意味ない。@yomiDr#睡眠不足 https://t.co/Afq5dKoF75
— 本村ユウジ (@motomurayuji) 2018年8月23日