今日のメール講座は昨日の続きです。
早期の子宮頸がんが判明し、セカンドオピニオンでも「準広汎子宮全摘出手術しかない」と言われた大谷さん。
彼女の相談に対して私は『手術は今でなくていい。経過観察を続け、悪化の傾向がみられたら、そのとき手術を考えましょう』と回答しました。(詳しくは昨日のメールで確認してください)
もちろん、回答は「自分が同じ立場ならこうする」というものです。
患者さんに強要するものではありませんが、大谷さんは考えたすえ、私の提案通りにすることに決めました。
「がんを治す生き方」をしっかり読み、その内容を実践しながら経過観察をすることに決めたのです。
それが2012年12月のことでした。
それから8ヵ月経過した2013年の8月。大谷さんから、報告のメールが届きました。
これが、そのメールです。(一部の情報は伏せています)
手術をしないと決めて、8ヵ月の状態は「何の問題もなし」。A判定ということは、何の疑いもないということです。
普通の女性と変わらない状態なので、手術をする必要はありませんよね。
まだ8ヶ月なので、油断はできませんが、大谷さんは子宮や卵巣など、女性にとって大切な体の一部を失っていないことは、事実です。
大谷さんの事例から学ぶべきことは、「早期がんなら手術をしないほうがいい」ということではありません。
一般に「早期」と言われる状態でも、できるだけ早く手術すべきケースはあります。
がんの部位、がんの状態、全身の状態など総合的にみて判断しなくてはなりません。
重要なことは、「最善の選択」をするためには、現状や次々と舞い込んでくる情報を冷静に分析しなければならない、ということです。
その力がないと、がんとは闘えません。
「あったほうがいい」というものではなく、絶対に必要なものです。自分で身に付けるか、身に付けている人を探すか、のどちらかです。
洋服と同じです。
裸で生活することはできませんから「自分で作るか、お店で買うか」のどちらかです。
大谷さんは「自分にはその力がない。周りの人も持ってない」と思ったので、私のサポートを受けた、というシンプルな話です。
どうしようかと悩むものではなく「必要なので、自分になければ他から調達する」ものです。
大谷さんにその力がないままだったとすれば、手術を受け、何の問題もない子宮や卵巣を失っていたかもしれません。
150万円を整体師に払い、16万円のサプリメントを買っていたかもしれません。
しかし、サポートを受けることで納得して決断することができ、結果的に体の一部と大切なお金を失わずに済みました。
ちなみに、もっと早く相談してくれていれば、セカンドオピニオンの費用(2つの病院で6万円)も節約できたと思います。
私なら「回答内容は同じなのでセカンドオピニオンは不要です」と伝えています。(もちろん、必要なケースもありますが大谷さんは不要)
このように、正しい選択をすることは大切な体やお金を守ることに繋がります。
そして、それと同じくらい、いや、それ以上に大切なことは「未来を守る」ということです。
大谷さんが得たのは、やりたい仕事をし、夏休みを家族を遊んで過ごし、ピアノのリサイタルをするという「充実した未来の日々」です。
これ以上に価値のあるものはないのではないでしょうか・・・。
---【類似の事例】---
医師の提案どおりの手術(リンパ節郭清)を避けて正解だった、子宮体がんのケース
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さて、【がん克服への道】はもう少しだけ続きます。
これまでお伝えしてきたとおり、がん患者さんとそのご家族は、絶え間なく重要な決断を迫られます。
それは、早期がんよりも、進行がんや末期がんの状態のほうが深刻になります。
今回は早期がんの事例をみましたが、次回は末期のケースを紹介します。
明日のメールは、「スキルス胃がんで余命宣告された下野さん」の事例を紹介して、大切なことをお伝えしたいと思います。
---【患者さんからの報告紹介】---
大腸、肝臓の手術から回復が順調な神崎さん